トランスジェンダーの大学での合理的配慮について情報があまりなかったので、2024年に、気になっている大規模私立大学の社会科学系学部、複数校に問い合わせしたFTMとして、その情報についてまとめておきたいと思います。
(合理的配慮への対応は日々進んでいるので、ここで取り上げたケースも、現在はもっと寛容に対応されている可能性もあります。)
## 大学によって合理的配慮は様々
私自身、通信制高校に在学しているのですが、性別違和があるため、大学進学へは不安がありました。そこで、どのような合理的配慮をしてもらえるのか調べてみると、東京大学など、多くの大学で合理的配慮についてまとめたガイドラインがあることが分かりました。
また最近は、不要な性別欄をなくしたり、オールジェンダートイレをつくるなど、性別違和がある人も大学生活をおくりやすいよう工夫している大学もあるそうです。
それらの事例を見ながら、どのような支援があれば大学生活をおくりやすいのかについて考えました。
私は、好きではない体育が必修ではない大学に進学し、以下の合理的配慮を受ければ問題ないだろうと思ったので、これらを実現することは可能か、そのためにどのような手続きが必要なのかについて問い合わせをしました。
* 大学の授業内では下の名前で呼ばないでほしい
* 着替えやトイレは性別分けのないスペースを使用させてもらう
* 性別分けせざるを得ないケースは事前に相談してもらう
問い合わせした結果、大学によって対応が様々なことが分かりました。また具体的な内容をメールで伝えてくれるだけではなく、オンライン面談で詳しく相談に乗りましょうかと提案してくれる大学もあり、とても有り難かったです。
* 診断書不要で、こちらの意見はできるだけ沿ってくれる
* 診断書不要だが、通称名を使用する際には保護者の同意が必要
* 診断書必要だが、こちらの意見はできるだけ沿ってくれる
* 本人とかかわりがあった医師や先生からの意見書が必要(単独で合理的配慮を受けることはできない)
結果として、明確な志望校が決まっていなかったので、合理的配慮について積極的な大学のほうが安心して進学できるだろうと思い、診断書不要で、こちらの意見はできるだけ沿ってくれるような大学に絞り、具体的な志望校を検討することにしました。
(ちなみに、大学の学生数ランキングがTOP10に入るような大学でも、合理的配慮を支援するのは年数名とのことだったので、特に小規模な大学だと、そもそも大学として前例がないケースもありそうです。)
## トランスジェンダーの大学進学における課題
ここ数年で、トランスジェンダーというものの知名度は随分と上がりましたが、現在も、診断書不要で対応いただける大学ばかりではないなど、トランスジェンダーの大学進学における課題は多々あります。
診断書を発行してもらうプロセスとして、特にガイドライン準拠の病院であれば、以下のような課題があります。(必ずしも、この課題があるわけではありません)
* 保護者が幼少期の情報を提供する必要がある
* 診断するまでに半年や1年など長期的に掛かる
* 地方の場合、診断してくれる病院がそもそもない
* その病院へアクセスするために紹介状が必要(特に大学病院)
そのため家族とは性別違和について話したくなかったり、家族からは反対されているものの、大学進学をきっかけに、自認している性別での生活をおくろうと考えている方には難しい方法となります。
また困りごとがあるからこそ合理的配慮という形で支援してほしいのに、その支援を求めるために、医師からのお墨付きとして診断書を発行してもらい、それを大学に提出しないと支援してもらえないというのは、個人的に納得がいかなかったです。もっと困りごとに着目してほしいと思ってしまいました。
私自身、いいなと思っていた大学を、合理的配慮にあまり積極的ではないことを理由に諦めることにしたので、はやく診断書なしで積極的に合理的配慮を受けられるようになってほしいなと思います。
ここ数年で、新しく合理的配慮のガイドラインを作成した大学も多いので、今後に期待です。また問い合わせをすることによって、大学側もニーズがあることが分かり、合理的配慮をしようと思ってくれるかもしれません。
大学進学を考えているトランスジェンダーの参考になれば嬉しいです。