幼少期、女子は私、男子は僕や俺という一人称を使うことしか知りませんでした。物心ついた頃から性別違和があった自分は、当然自分を男性だと思っていたため「僕は〜」と話していました。
しかしそのたびに注意され「僕と言ってはいけないのだ」という思い込みだけが強く残り、次第に口にすることが怖くなっていきました。今でも、注意されたことを思い出し、積極的に「僕」と使えない気がします。
どの一人称もなんだか合わない自分は、それから5年ほど一人称を使わずに、自分について話すようになりました。
小学校高学年になるとまわりの友達に影響されたり、自分はトランスジェンダーだろうと思ったこともあって「俺は~」と言い始めました。が、俺と言えるほど強いタイプじゃないなーと、なんだか性に合わず、すぐに辞めてしまいました。
中学生になると「自分は~」「自分が~」といった表現でも、十分に自分のことを指すことができることに気が付き、この表現を好んで使うようになりました。あまり使っている人はいないですが、とても便利な表現だなと思います。
また成長するにつれて、一人称に関する知識も増えてきました。どうやら、公的な場では、男性でも私という一人称を使うことを知り、そしてプライベートでも私という一人称を使う男性もいることが分かりました。
今までどうして、私という一人称を使うことを、そんなに拒んでいたんだろうと思いました。私という一人称は、絶対に女性しか使わないと思い込んでいたことに気が付かされます。
私自身、関わるのは目上の人が多いことや、文章を書く機会が多いこともあって、私という一人称が非常に馴染みました。なぜかシス男性の友人も、私という一人称を好んで使っているので、これが自分にとって最適ではないかという気持ちになっています。
しかし見た目が中性的な自分は、男性として見られるために、僕や俺といった一人称を使おうかなという気持ちになることも多々あります。一人称の変遷は、まだまだ続きそうです。