私は、学生時代(特に中学生の時)にいじめを受けていました。いじめの内容は、校内を歩いていると複数人の男子生徒に囲まれて性格、容姿、行動などについてからかわれる、同じクラスの女子生徒複数人から無視される、陰口を聞こえるように言われる、などでした。暴力などは一切ありませんでしたが、あまり話したこともないような相手に「キモい」とか、ここに書けないような差別用語も浴びせられ続けて、ずっとモヤモヤしていたのを覚えています。今思い返すと、必ず複数人で何かを言いに来たり、示し合わせて無視をされるのが嫌だったかも、と思いました。
さて、前述したとおり学生時代にいじめを受けていた私ですが、基本的にずっと自分の生き方について迷走し、試行錯誤している状態で過ごしています。その試行錯誤の1つとして、数年間、演技の勉強をしていた時期がありました。
演技、お芝居をやってみたいな、と思ったきっかけはテーマパークで上演されているショーや、舞台を見に行くこと、アニメを見ることなどが子どもの頃から好きだったからと、親への反抗心だった気がします。(このあたりは長くなりそうなので、「何となくやってみたくて始めたんだな」くらいにとらえてもらえるとありがたいです)
私が演技の勉強のために通っていた場所は、週1回のレッスンがあり、20人前後のクラス制でした。「演技」ということで、台本を渡され、配役をし、キャラクターを演じ、みんなで物語を表現するというような内容のレッスンもありました。
いろんな性格のキャラクターをやらせてもらいましたが、その中でも今回話したいのは
「いじめをする側」
を演じたことについてです。
しかも、状況が実際に自分が受けたいじめに似ていて、「場所は学校、生徒複数人で1人のターゲットに悪口を言う、からかう」というものでした。私は複数人いるいじめをする人の中の1人を演じました。
「いじめをする側」の役をやることになったのは、仕方なく、などではなく私の意思で選んだ気がします。
私が「いじめをする側」の人たちに抱いている印象は、「不満を人にぶつけて楽しそうにしている」という感じです。私に何かを言ってきた人たちは、みんな同じように笑いながら、遊び半分で、という様子だったのを覚えています。私自身は、不満などを表に出す、人に伝える、というのが子どもの時からすごく苦手でした。
そんな自分だからこそ、「演技として」なら心の中に溜めている鬱憤を表に出すことが許されるのかな?好き勝手に言いたいことを言えて、気分がすっきりするのかな…?と「期待」や「憧れ」に似た気持ちもあったからこそ、この役をやってみようと思ったのかもしれません。
役作りとして、できるだけ頭をからっぽにして深く考えないようにすることも心がけました。「こんな言葉、本当に人に向かって言っていいの?」などと深く考えてしまうと、セリフが言えなくなるなぁ…と感じたからです。
そして、実際に舞台上でいじめのターゲットになっているキャラや、一緒にいじめをやるキャラとのかけ合いなども経験したのですが、結果的には気持ちがすっきりすることも、鬱憤が晴れることもなくただただ「本質」から目を背け続けながら生きているなぁ、という感覚が残りました。
自分(演じているキャラクター)の心がどんどん黒く汚れていくような感覚を味わえたのは、貴重な経験だったな、と思っています。
私をいじめていた人たちも同じような気持ちだったとしたら、いじめって誰の心も救われないし、受けた側は心に傷が残るし、何だか悲しいコミュニケーションなのかもしれませんね…。(一方的すぎてコミュニケーションですらないのかな…?)
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これは今の自分が文章を書いていて気付いたことなのですが、キャラクターとして動いたり、セリフを言っている間は「自分の言葉で相手が傷ついたかもしれない」という気持ちが自分の心から消えていました。
普段の私は、「人がどう思うか」を過剰に気にしすぎてしまう傾向があるので、演技の中で「気にしすぎない世界」を体験できたようで不思議な気持ちになっています。とはいえ、相手の反応をまったく気にせずに一方的に言葉をぶつけるのは、結構危険なことじゃない?お願いだからもう少し考えて欲しいかも…と演じたキャラクターに対して思いました。
これはやっぱり、実際にいじめを受けていた経験があるからこその願いなのだろうな、と思います。
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最後に、自分がいじめを受けたことと、いじめをする側を演じてみた経験を元に、「いじめ」って結局どうすればなくなるの?みたいなまとめ方をしようと……
思っていました……(無理でした)
いじめは、私個人であれこれ考えて結論を出せるほど単純な問題ではないのだろうな、と感じてしまい、どうまとめればいいのやら…と頭を抱えています。
「人間関係の問題」とするには傷つけられた側の負担が重すぎる気がするし、かといって「いじめはダメ、悪いこと」と言っても何だか雑な気がしてしまいます…。
とりあえず、演じたキャラクターにもあったような「攻撃性」は私の中にも存在している気持ちだと思うので、むやみに人にぶつけないように自分の気持ちと向き合っていけたらいいな、せめてそれだけは気をつけられたらいいな、と思いました。